過去の山行一覧「今までに登った栃木の山達」

 ルート図や写真はクリックすると拡大表示します。
 当ブログでは実歩行のGPSログを掲載していますが、登山道ではないエリアも含みます。参考にされる場合は事故防止の観点から自己責任の原則をお願いします。
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2013年07月24日

ブログ引っ越しのお知らせ

 随分長い期間を準備に費やしましたが、ようやく新しいブログシステムへの移行の目処がたちました。

 当ブログで使用しているブログエンジンのMovableType3は、世間では既に過去のものとなりつつあります。しかしながら新しいものに取り組むのは結構体力がいることで、なかなか慣れ親しんだ環境から脱却出来ずに今日に至りました。

 新ブログで使うWordPressは勉強途中で未だ設定が荒削りな箇所も多く、思い通りにならない部分はオリジナルソースを改造したりもしました。従って、思わぬ副作用が心配。読者の方に迷惑がかかることはありませんが、表示くずれで変なレイアウトになってしまった場合はご勘弁ください。自分の確認出来る環境(Windows上のIE8とChrome、Andoroidのブラウザ)では取り敢えず正常に表示されていますが、まったく想像が付かないのがMacでの表示。

 取り敢えずおっかなびっくっりですが、思い切って皇海山の記事より新ブログへ移転といたします。

 なお、こちらのブログは当面閉鎖の予定はありませんが、今後の更新はリンク切れなどのメンテナンス以外は行わない予定です。

新URL
http://mattyan.rakusaba.jp/


2023/2/11追記

二度目の引っ越し先はこちらです。
https://mattyan.me/

2013年06月09日

黒尾谷岳



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
関連山行記事
  2009年10月11日 ライド&ハイク(Ride&Hike)

 黒尾谷岳は那須連峰の中でも最南端に位置し、一連の華やかな那須の山並みとは一線を画した前衛峰である。
 一般的な登路は二つあり、南側の別荘地よりのピストン、そして南月山からのルートである。
 以前白笹山から南月山を目指した際に、小高い頂きが稜線の南側にあるのに気づいていたが、当時はその山が黒尾谷岳であることを特に意識していたわけではなかった。だが、特徴的なその山姿がとても印象的であったことは鮮やかな記憶として残っていた。
 今回歩いたルートは沼原駐車場から白笹山を目指し、南月山へと到達。ここまでは以前歩いたルートと同じ。黒尾谷岳へは南月山からの寄り道ピストンとした。

 花の時期は駐車場が混雑するのではないかと考え、早い時間に沼原の駐車場に到着。7時前ということもあったが、意外な事に未だガラガラだ。ちょっと拍子抜けしたが、まぁ良いだろう。早発早帰りは山の基本(^^ゞ

 7時丁度くらいに支度を終えて出発。白笹山方面へ歩き出す人は少ないようだ。前日の雨をしっとりと含んだ早朝の静かな山道を進む。一度歩いているので登山道の大体の雰囲気は掴めているが、前回は地形図を眺めて一体この急な勾配をどうやって登るのかと心配になったものだ。実際には巧みに山をトラバースしたり、細かくジグザグに作られた登山道を登るのはそう大変なことではない。
 徐々に高度が上がってくると、沼原調整池の向こうに見える大佐飛山の稜線が大きく横たわるようになる。百村山から大佐飛山へのアプローチは長丁場でなかなか骨の折れるコースと聞くが、体力と天候が揃えば是非チャレンジしたいものだ。

     
道標はこのスタイル    朝の空気が清々しい    百村山から大佐飛山への稜線

 眺望がだいぶ良くなってきた頃、白ヤシオの株が目立ち始める。花については知識が覚束ないので自信は無いが、おそらく花期も盛りを過ぎたのであろうか。それでも自分には充分に綺麗。期待もせずに入山しただけにラッキーな気分に浸る。

     
シロヤシオ       隠居倉方面
     
     

 遠く茶臼岳の黒々とした頂稜部が見え出すと、白笹山山頂への道のりもあと少しである。

 山頂は相変わらずの無愛想。道端に道標があるだけのそんな雰囲気の場所だ。この山だけを目当てに来る人はそうは居ないだろうが、来た道をそのまま下山するとなるとちょっと寂しいかもしれない。
 山頂を通過するとその先にムラサキヤシオ(図鑑を見ると葉の形が違う気もするので、違う場合は御指摘願います)が鮮やかに咲いていた。実は山頂の少し手前あたりからシャクナゲもちらほら咲いており、自分としてはまさに花の山行である。

     
茶臼岳が頭を覗かせている    相変わらずの白笹山頂上    ムラサキヤシオ

 白笹山から高度を下げていくと今度は笹原の稜線へ出る。行く手には南月山へと伸びる美しい稜線。笹が光り輝くこの稜線をこれから登るかと思うと俄然登高意欲が湧いてくる。右手には今日の目的地である黒尾谷岳が、その名前には似合わない丸い輪郭の愛嬌のある高みを見せている。

 今日の登山は実は万全な体調ではない。木曜日に行ったスポーツクラブで、いつもと違った不慣れなスタジオプログラムに参加してふくらはぎの筋肉痛が若干残っていたのだ。足の調子と相談するように、若干ペースを落として歩幅も狭くとる。いつしか気付くと、ふくらはぎの痛みもすっかり消えて調子が出てきた。だが、南月山から黒尾谷岳のピストンが結構キツそうなのは想定内なので、ここは体力温存で進むべし。

     
   南月山へと伸びる稜線が美しい    今日の目的地、黒尾谷岳


 日差しの強い笹の稜線歩き。時折吹き抜ける早春の忘れ物のような冷たい風が火照った体を心地よく冷やす。天気晴朗、眺望良好、足取りも軽くなるというものだ。シャクナゲも色の濃いもの薄いもの。花の付いていない株はこれまでいろいろな山で嫌というほど見てきたが、華やかな花の姿を見ることが出来るのは山を歩く者として素直に嬉しいものだ。

     
白笹山を振り返る    シャクナゲ   

 足元に咲く小さな花達はにわか花ハンター?のカメラに収まらなかったが、特徴的な葉が「亀の甲羅のよう」と記憶していたオオカメノキ(違っていたら指摘願います)も頭上を賑わしていた。白い花は青空に透かして見るとより一層美しく見えるものだが、悲しいかな安物のデジカメとつたない腕ではご覧の通り。肉眼で得られた感動を伝えるのは難しいものだ。

 程なく南月山の山頂に着くと、まだ早い時間なのに既に数組のハイカーが休憩中である。ここに至るまで、駐車場で先発した先行者一組を追い抜いただけで他には人には遭っていなかった。黒尾谷岳からの帰りにここに立てば、その頃は昼食時。更に大量の人達で埋め尽くされているだろう。ゆっくりするなら今がチャンスなのだが、やはり山はより静かな場所が一番。軽い水分補給とシャリバテ防止のパンを一口頬張り賑やかな山頂を後にした。

     
会津の山並みは春遠し    オオカメノキ?   

 南月山の三角点は山名板と石祠の更に奥の目立たない所にひっそりとある。茶臼岳を眺めなが休憩が出来る広場には大きな案内板があるので、そこが山頂と勘違いしている人が多いようだ。「おーい、ここが本当の山頂なんだよ」と教えてあげたい位だ。

 黒尾谷岳へのルートは序盤は笹を分けながらの下降。胸あたりまで笹丈があるような箇所も、踏み跡道形は鮮やかなので問題は無い。やがて崩落地を警告する案内を見ると右手に折れる。回り込むようにして高度下げが始まる。
 容赦ない高度下げ。どこまでも下げていく。里山なら下山しきってしまうくらいの勢いだからこれは帰りが大変だぞ。実際、300mの高度下げのあと黒尾谷岳には100mの登り返しとなり、帰りはその逆で、100m下って300mの登り返しだ。

     
南月山の三角点は裏手にひっそりと    定番の茶臼岳眺望    下に見えているのは黒尾谷岳ではない
     
あの崩落地脇を通過する    崩落地より    黒尾谷岳はまだ遠い

 どこまでも下げ止まらない下りに、若干怖気づきながらもようやくコルまで到達した。新緑の枝の合間から見れば、先ほど歩いてきた白笹山の稜線があんなに高く見えるではないか。いやはや、南月山への帰りが思いやられる。

     
   こちらも白ヤシロが素晴らしい    白笹山を見上げる程高度を下げた

 コルで一息入れて黒尾谷岳への登りにかかる。ここの登山道もジグザグに作られており案外楽に登れる。だが、帰りの登り返しを意識すると、のんびりゆっくりペースを堅持せざるを得ない。三人組のシルバーグループとすれ違うが、彼らもこれから向かう南月山への登り返しに苦笑いしていた。

 黒尾谷岳の山頂もまた白笹山の山頂と五十歩百歩。グルリと眺望の無い山頂には山名板と土管が一本置かれているのみ。長居する雰囲気でも無いので写真を一枚撮って直ちに踵を返した。
 ここで無理をして歩き通すと前回の袈裟丸山のようにバテる可能性があるので、コル近辺まで戻り木陰のランチ、大休憩とした。
 今回から食事も夏モードとなり、ストーブとカップラーメン、1リットルの水の携行は無し。お陰で幾らか荷が軽くなった。そのかわりに、テルモスに氷と一緒に詰めたドリンクが装備に加わった。これから夏に向かってはこれが一番! 喉を冷やす冷たさは実に心地よい。

     
黒尾谷岳への登りは巻き道で穏やかだ    白笹山といい勝負、何も無い山頂    ここで食事休憩

 南月山への辛い登り返しだが、美しく咲き誇る花に励まされて思ったより軽快に進むことが出来た。やはりペースダウンの効果は絶大だ。日頃の山行では如何に無駄なペース堅持で疲労を増大させていたのか、今更ながらこんな単純な事を実感して目から鱗が落ちる思いだ。

     
   生命を感じるダケカンバ    青空に映える
     
白ヤシオの向こうに黒尾谷岳    あの上まで登り返す    一部背丈程の笹薮あるも道形明瞭


黒尾谷岳からの戻り途中の風景。このアングルからの茶臼岳は珍しい

 最後の笹薮を登り切る手前、振り返ると黒尾谷岳が頭を覗かせる。あそこから戻って来たのだと思うとそれなりに感慨深いものがある。

 南月山へ着くと予想通り、色とりどりのウェアーで一面花咲く沢山のハイカー達が食事中であった。ここから先は基本的に下りだが、しばし茶臼岳の荒々しい眺望を楽しみながら自分も一休み。日の出平へ向けて出発した。

     
あそこから戻ってきたのだ    日の出平へと向かう   

 日の出平から沼原へ下るコースは今回初めて歩く。南月山から台地のように見える日の出平は、その名の通り平坦な道が続く。灌木に見通しを遮られる箇所もあり、熊の出没地として名高いこのエリア。ばったりお見合いということも排除出来ない状況だ。ザックより大音量の熊鈴を取り出して腰に装着す。肉厚の鐘から鳴り響く大音量は、着けている自分自身もうるさいくらいだから、他のハイカーが近くに居たら迷惑ものかもしれないが、肝心のクマに届けば良い。そこで、いつも思うのだが、クマには本当に鈴の音が聞こえているのかという実験が行われた半分ジョークな記事を読んだことがある。実験は動物園のクマに数種類のクマ鈴を聞かせたところどんな反応があったかというものである。結果は・・・どの鈴にも全く反応せずひたすら昼寝を貪るのみだったとか。
 これはクマに喝!  である。野生のクマならもっとしっかりしてるでしょう。なんてのはどうでも良いが、ここまで臆面もなくうるさい程だから効果は充分なのではないか。

 途中、ミネザクラが数本咲いていた。南月山から先は驚くほど花が無かっただけに再びの花の出現は嬉しい。

 平坦地を過ぎ、高度を下げ始めると北の隠居倉方面が大きく見え、やがて南月山から白笹山を広々と見渡せる笹道になる。

     
平坦な道が続く    ミネザクラ    隠居倉方面(雪が残っている)
     
   ムラサキヤシオ白笹山    池塘あり

正面に南月山、そして白笹山までを見渡す

 道が北に進路変えをすると、開けた眺望とはお別れになるが、笹原に広がるダケカンバの林もまた美しい。綺麗に撮影出来なかったので掲載しなかったが、途中白ヤシオやシャクナゲも所々に咲いていた。つくづく今回は花に恵まれた山行であった。

     
ダケカンバの林       駐車場から白笹山

概略コースタイム

駐車地発(07:01)-白笹山(08:37)-南月山(09:26)-黒尾谷岳(10:27)-
昼食地点(10:40)-昼食休憩-行動再開(100:49)-南月山(12:04)-日の出平(12:37)-
駐車地着(14:34)

2013年06月02日

梅雨の合間に徒然と

 今年は異例の早い梅雨入りである。この時期は山もバイクも遠ざかり気味。せめて昼間からスポーツクラブに行くぐらいが関の山だが、たまには愛車も綺麗にしてやろうと思いたつ。

 こうして4台(正確には車まで入れると5台か)並べてみると我ながら壮観。総排気量は、左のバイクから1400+200+125+0(チャリ)+660(パジェロミニ)=2385ccとなる。
 全部足しても3ナンバー車にはかなわないが、一番大きなバイク一台で5ナンバーのコンパクトカークラスの排気量というのも面白い。今の自分にとってはお気に入りの構成だ。

 後ろから撮った写真も一枚。


佐野ラーメンと宇都宮餃子、栃木軒

 この後時間調整も兼ねて、やはりスポーツクラブへ行って一汗かき、その後家内と映画を見に出かけた。

 途中、競輪場通りの福田屋前にある栃木軒にてラーメンを食べる。自分はどちらかと言うと味噌ラーメン派なので佐野ラーメンの店を好んで選ぶことはないが、この場所に以前あった「ラーメン龍」という店は閑古鳥が鳴いていたのに、今は随分人が入っていそうだったので前々から気になっていたのだ。

 佐野ラーメンとジャンボ餃子一本というメニュー構成も良いし、食べてみると佐野まで行って食べる「佐野ラーメン」以上の味の水準なのではと思った。餃子もしっかりした味わいで及第だ。ラーメンは人によって好みがあるからなんとも言えないが、誰かに紹介、または案内しても外れの無い味と言えるお店であった。


県庁おもてなし課

 夫婦どちらか50歳以上で二人料金二千円の恩恵を受けて、我が家も頻繁に映画を見るようになった。ネットで席の指定やチケットの購入が出来るのも大変有難い時代だ。

 さて、映画の方だが、ストーリーの方は可もなく不可もなくといった凡庸な感じたが、どちらかと言うとTVドラマの延長線のような作品。映像効果やネタの仕込みが盛りだくさん、怒涛の感動と興奮という作品が見られるのは映画ならではの醍醐味だが、たまにはこういう肩の力が抜けた作品も良いかな。
 ストーリーの内容はここでは触れないが、舞台となった高知県、海あり山ありの自然豊かな土地柄。海岸からせり上がる山の空撮映像や、意外に深い山並みがスクリーンに映ると、「あ!高知県行ってみたい」と思ってしまう。
 やばい。高知県の観光招致作戦の術中に既に落ちてしまったか?>自分(^_^)

2013年05月25日

鶴ヶ城より


 会社の親睦会旅行で福島を訪れた。宇都宮よりバスを走らせ、アサヒビール福島工場の工場見学。メインはビールの試飲だが、出発直後からエンジンが掛かっていた人達も、明るくハキハキとした案内嬢と出来立てスーパードライに舌鼓を打ち、ますます絶好調の一行であった。

 場所を会津若松へ移し、わっぱ飯の有名なお店で食事。その後は「八重の桜ドラマ館」見学、自由行動にて鶴ヶ城散策という内容であった。

 八重の桜ドラマ館までは、まぁいわゆる『団体旅行さん』で特にこのブログで報告することも無いが、ビール工場もなかなか楽しかったし食事も美味しかった。何よりも東北の復興に微力ながら貢献出来たのではなかろうか。

 最後の鶴ヶ城は時間調整もあって自由行動になった。初めのうちはある程度固まって行動していたものの、グループの数も徐々に減ってバラけてきた。

 流石に観光スポットだけあり訪れる人も後を絶たない。園地の中の雰囲気は総じて良いが、観光客がごった返しておりいささか人酔いしかねない。傍らを見れば城郭の土塁が新緑に覆われたトンネルになっているではないか。いつもの習性で思わず駆け上ればそこから見る景色は一枚うわて。堀の水面に吸い込まれてしまいそうな静寂と、そよぐ風の向こうに若松の街並みが見える。

 どう頑張っても喧騒と仲良くなれない自分だが、この穏やかな風景を見ているとバス旅行の一人であること忘れてしまうような落ち着きを感じるのであった。


会津磐梯山


真ん中に遠く薄く映るのが三倉山らしい


2013年05月18日

奥袈裟丸山敗退


-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

 群馬県境には手強い栃木百名山が数座残っている。今年は皇海山を群馬側の林道から、庚申山と鋸山を夏場の日が長い時に銀山平から歩こうと思っているが、自分はどうも暑い時期のロングはバテ易い。情けない話だが、鋸山計画は懐疑的である。

 一方、袈裟丸山は難易度はあまり高くないが、結構な長距離コースをピストンで往復しなければならない。周回好きの自分としては早い時期に食指が動かなかった理由である。慣れない山域と意外に山深いこのエリアだ。やはり手堅くガイドブックに従うほうが無難だろう。
 花山行にはなかなかならない自分の山旅だが、"アカヤシオでも"と、久々に色気を出して計画をした次第だ。単にガイドブックに従うだけでは少し物足りなさを感じたのも事実。ならば『奥袈裟丸山まで』という準備と気概で出発した。どこまで体力気力が持つかは今日のコンディション次第。駄目なら戻るさの精神で。

 『花の時期は早朝から車が置けない』とネット等で自習済なので、久々に早朝出発を奮発。土曜の早朝出発は仕事の疲れが残っているので正直辛くないといえば嘘になる。

 わたらせ鉄道の沢入駅付近から国道より別れ、林道に入る。クネクネと軽快に車を走らせていくと、すぐ先行の2台に追いついてしまった。大柄な車両を林道に合わせるのに苦心している様子だが、この時間にこの道を走っているのは袈裟丸目当てのハイカー以外はほぼあり得ないだろう。
 6時半頃に折場登山口に到着すると既に駐車場は満車。周囲に路駐の列が伸び始めている。なんとか100m位先の所の路側にありつくことが出来た。うかうかしていると次から次へと来る車であっという間に埋め尽くされていくので、多少遠くても場所が悪くても即断が必要な局面だ。

 不思議な事に皆さん準備が済んだ人もなかなか出発しない。駐車地確保が出来れば後は朝食を採ったりと時間調整のようだ。自分は奥袈裟狙いなのでここで無駄な時間は使いたくない。まばらに出発するハイカーに紛れて登山口へと足を踏み出した。

     
折場登山口駐車場は既に満車       木の根の小尾根を登る

 序盤は木に囲われた小尾根を登るが、やがて正面に大きな尾根、左手には笹原の谷を挟んだ眺望が広がる。アルペンムードでなかなか良い景色だ。稜線の縁を回りこむようにして登っていくと、ちらほらアカヤシオの花が出てくるようになってくる。

     
笹原の胸すく尾根へ    朝日を受けたアカヤシオ    朝の空気が清々しい

 先程まで見えていた尾根の平坦部に到達すると景色が一変し、緩やかな幅の広い稜線のそこかしこにアカヤシオが増えてくる。遠くにはこれから登る袈裟丸山の峰々が良く見えてきた。

 袈裟丸山は、正確には1878mの前袈裟丸山、その北にある後袈裟丸山、続けて中袈裟丸山、そして連峰の最高峰である奥袈裟丸山から構成される。また、前袈裟丸山に至る途中にある小丸山は別名小袈裟丸山とも言われているので、合計5峰からなるのだ。
 一般的には前袈裟丸山を"袈裟丸山"としている。折場登山口からでも結構距離があるが、登山道は実に良く整備されており道迷いの可能性は微塵も感じられない。また滑落等の危険箇所も一切ない。比べると前袈裟丸山から北の領域は笹とシャクナゲなどの灌木が繁茂しており、こちらのルートは比較的難易度が上がる。また、後袈裟丸に登るには直前の八反張りという難所を通過し、笹の斜面を直登状に登らねばならない。更に、後袈裟丸山から奥地に入るといよいよ藪こぎルーファンの領域になる。徐々に難易度が上がってくるという寸法だ。ただ、このルーファン箇所は鋭敏な尾根を追っていくだけなので、派生尾根に引っ張られることなど無い。コース取りは意外と難しくないのだ。

     
   袈裟丸山塊 一番右が奥袈裟丸山    展望櫓

 賽の河原で塔ノ沢からの登山口を合わせる頃になると、いよいよアカヤシオの花が賑やかになってくる。時折女性ハイカーが上げる明るいはしゃぎ声が青空によく通る。花山行が似合わない自分もすっかり今日はお花見気分である。

     
賽の河原    アカヤシオの尾根を登る   

 一つ目のピークである小丸山からは日光方面の山がよく見えた。未だ白く冠雪する白根山とアカヤシオが美しいコントラストを織り成している。

     
      小丸山頂上

 小丸山から一旦高度を下げた所の鞍部にカマボコ型の黄色い避難小屋があった。内部を覗いて見ると、無理すれば三人くらいは入れそうな広さだ。避難小屋だから確信犯で泊まるわけにはいかないが、一度はこういった所で夜を過ごすのも憧れるものだ。

     
白根山とアカヤシオのコントラストが美しい    避難小屋    2~3人ならOK

 避難小屋のある平坦地からシラカバ(?ダケカンバ)の林が、その先にどっしりと構えた前袈裟丸山が見える。結構急峻な感じだが、これからあそこまで登るのだと気を引き締め直す。

 登りだすと、やはり急斜面に足も鈍り呼吸も乱れ出す。小丸山までが比較的緩斜面だったので尚更そう感じるのかもしれない。ただ、ここまで水平距離はかなり歩いているのも事実。疲れはじわじわと効いてきているのだ。(折場登山口~前袈裟丸山まで距離5.6Km、標高差679mであるから、そこそこの山登りでああろう)

 前袈裟丸山頂は広場になっており、自分が到着したのが9時半前なのに既に沢山のハイカーが休憩中であった。先が長いということと、帰路に再び立ち寄るという事もあり写真を一枚撮ってすぐ出発。

     
シラカバ?ダケカンバ?    前袈裟丸山が大きくたちはだかる    袈裟丸(前袈裟丸)山

 山頂北側に立つとご覧の豪快な風景が拡がる。遠く福島の峰々が白く輝くさまにしばし見とれた。手前に見える特徴的なピークが後袈裟丸山である。この後あそこを目指すのだが、本当の目標点はまだまだ先だ。


 前袈裟丸山からは一旦高度を下げるとすぐに薮混じりのルートとなる。薮は高い所で腰から胸くらいあるも、足元を見ると意外と踏み跡が濃くさほど難しさは無い。ただ、山としての奥深さや雰囲気はそれまでのコースと一線を画すピリリとした雰囲気がある。前袈裟丸山までは散策路然とした雰囲気を逸脱しなかったが、やっとここに来て山を歩いているという雰囲気に包まれた。
 折角長丁場を歩いて来たのだからこの山深さを味わずして帰るのは大変勿体無い気がするが、やはりこの薮では一般ハイカーはそうもいかないのだろう。

     
シャクナゲと笹と灌木と    後袈裟丸山が正面に見える    足元には踏み跡があるのでさして苦労はしない

 問題の八反張は崩落の為通行止めという情報があったが、途中や直前に特に注意書きなども無く、また真新しい鎖や鉄柱が打ち込まれて整備もされている。大部分のハイカーが前袈裟丸山止まりとはいえ、やはり相当数のハイカーはこちらまで流れて来ていて八反張も沢山の人が往来しているのだ。
 確かに序盤の数ステップは要注意で、ここで足を滑らせると谷側に落ちていく可能性が否定出来ない。だが、自分の前後には難渋している人はおらず、皆慎重に通過しているので一般的には問題無いと思うが、こういった難所に苦手意識がある人は避けておいたほうが無難だろう。ただ、万が一滑落しても谷の浅さと緩やかさ故に多少の怪我程度という雰囲気ではあった。(あくまで主観的であるが)

     
八反張下降部      

 八反張からは眼前にそびえ立つ山頂に向けて笹に覆われたルートを直登していく。まるで頭が地面に着いてしまうのではは無いかという位前傾して登っていく。踏み跡を探してかがみ気味に登っているので余計なのだ。
 何度か呼吸を整えて着いた先の後袈裟丸山も数組のハイカーが休憩中だ。しかし、本当に人の多い山である。

     
      後袈裟丸山から更に奥へ

 奥袈裟丸山まで1.8Kmの立派な道標があるが、この先はいよいよキチンとした薮道となる。相変わらず薮をくぐるようにしていけば踏み跡を追うことは可能。時折見失っても尾根キープで行けばやがてまた踏跡と出会う事の繰り返し。ただ、東側にスパっと切れ落ちている箇所があるので愚直に深追いせずに、踏み跡が消えても少し西側を行ったほうが良いだろう。

 実はこの時点でかなり疲労を感じていた。要因は二つある。
 初夏の日差しは思いの外強く、帰宅して分かったが顔や手、首筋が日焼けしていた。水は飲み過ぎないように注意してウェアーも調整したのだが、やはり自分の一番の弱点の暑さバテが出てきた。
 そしてもう一つは、マイペースを維持できなかった事。日頃人が居ない山歩きばかりしているせいか、どうも前後に挟まれて歩いているとペースがコントロール出来ない。2時間以上休憩を取らずに歩き続け、遅い先行者を追い抜くのに無駄な力を使う割りにはつまらぬ所で息が切れて立ち止まったりと、とにかくペース配分がめちゃくちゃであった。

 時間的にも登山を開始してからそろそろ4時間が経過しようとしている。下山も登り返しが数箇所あるからやすやすと短時間で下山口に届くとは思えない。安全に下山出来る体力は残しておかないといけないとすればそろそろ潮時であろう。渾身の笹薮登りの末に到達した小さなピーク。数人立てば満員になってしまうような中袈裟丸山にて本日の撤退を決意した。

     
軽いノリで道標もあるが?    ひたすら上を目指すべし    流石に時間も体力も限界だ

 中袈裟丸山からの眺望は樹木に遮られてあまり良くない。狭い山頂故にここで食事の用意を広げる訳にもいかない。また、せめてゆっくり木陰で休みたいという思いから少し戻った所で昼食とした。地面に腰を降ろして足を投げ出すと流石にじんわりと疲労を感じる。

 昼食中に4人のグループが笹をかき分け登ってきた。上のほうでやがて声がしなくなったのを見るとそのまま奥袈裟に向かったのであろう。
 また、食事後に下山を始めると今度は10人位の中高年グループが登ってくる。山岳会の人かどうかは分からないが、女性が主体のパーティーながらこのようなルートを一糸乱れず登って来るのだから、呆れると言おうか羨ましいと言おうか、かなりの体力である。自分も少しあやかりたい気分であった。彼らならこの地点から奥袈裟丸山までをピストンしても2時間はかからないだろう。

 後袈裟丸山から北の領域は確かに薮深いものがあるが、時折登山道のようにスッキリした箇所があったりもする。往路にも火照った体を冷やした風の抜け道がある箇所。帰りもまたそこに立ち止まり、谷から通り抜ける冷たい風にしばし体を預けるのであった。どうせ食べるなら此処にすれば良かったなと多少後悔もした。

     
白骨化した木と山名板    谷から風が抜けるお気に入りポイント    前袈裟丸山と奥袈裟丸山

 後袈裟丸山まで戻ると、笹薮も八反張もクリアしたハイカー達が続々と山頂を踏んでいる。中には良くここまで来れたと感慨深気な人もいるが、良く整備された登山道しか歩いたことのない人には、後袈裟丸山への道筋も結構冒険的な雰囲気に包まれていることは想像に難くない。

 前袈裟丸山まで戻ると丁度お昼時で、山頂は大量のハイカーで満ちていた。下の写真は一番人が少ないアングルで撮影したものだが、こんなに人の多い山頂は低山でも経験が無い。袈裟丸山は栃木と群馬両県の誇る山であり、アカヤシオの花期とも重なったので尚更のことなのであろう。

     
八反張に向けて笹原を下降    前袈裟丸山直前で振り返り見る福島の山並み    大人気の前袈裟丸山

 前袈裟丸山からの下りは、先ほどこんなに登ったのかと思い直してしまうほどのキツイ下りだ。太腿がそろそろ悲鳴を上げだしているので、オーバーペースは自重しながらそろりそろりと降りていく。
 避難小屋の前ではベンチに腰掛け、暫しうぐいすの鳴き比べを聞いた。静寂に包まれてこのままずっと此処に居続けたいような気持ちにふと陥る。それでも、頬を撫ぜるような少し冷ための風に癒された頃、思い切って立ち上がった。さぁ、まだ先は長いぞ。まずは目の前の小丸山を登り返さないと。
(この時点で下山路の距離にしてまだ半ばであるという事を書き加えて、今回の記事を終了とさせていただく。)

  
往路では富士山が見えた    心地良い笹原の稜線を下る

概略コースタイム
駐車地発(06:25)-賽の河原{塔の沢コース合流点}(07:23)-小丸山(08:15)-避難小屋(08:27)-
前袈裟丸山(09:19)-後袈裟丸山(09:55)-中袈裟丸山(10:33)-昼食休憩-行動再開(11:08)-
後袈裟丸山(11:48)-前袈裟丸山(12:27)-避難小屋(13:13)-小丸山(13:35)-賽の河原(14:35)-駐車地着(15:28)

2013年05月06日

連休後半3日間

 珍しく、山以外の日記など。

 世間では大型10連休などとも言われた今年のGW。我が職場はカレンダー通りの前半三日、後半四日となった。飛び石の年に比べればまとまった感じで休暇を楽しむ事が出来た。

 前半三日は山・山・バイクと遊び、後半は初日に持丸山、残り三日間は・・・

 

4日

 前日より帰省している娘と家内の三人でドライブ。小来川の山家で蕎麦を食べる。その後、滝ヶ原峠を越えて日光へ。
 憾満ヶ淵で化地蔵を見る。帰りに娘と家内が地蔵様の数を数えていたが、胴体なしで紅の前掛けだけの石もあったりしてカウントの基準が難しそう。

蕎麦ゼリー

滝ヶ原峠より日光連山 雲が掛かっていて残念

憾満ヶ淵の化け地蔵


5日

 今春就職した息子が、初任給を貰ったので東京に遊びに来いと言う。15年ぶりくらいに乗る東武線で浅草へ向かった。

 GWでいつもより人の出が多い浅草はスカイツリーのお膝元。

 ツリー自体は大層の混雑で始末におえないが、ちょっと外せば街には静かな所も意外にあるものだ。

 

 昼食に浅草のラーメン屋、夜は息子が就職したビール会社の直営ビアホールで家族四人で乾杯する。家で飲む缶ビールとは一線を画した味わいと美味いつまみに舌鼓を打ち杯を重ねる。息子の奢りで飲んだ初めての酒である。



6日

 最終日は、「骨休み」の為に家内と二人で日帰り温泉へ行く。

 いろいろ迷ったが、初志貫徹で"前日光つつじの湯"へ。山奥へ通じる道は閑散としていたが、流石は連休。いざ到着すれば駐車場はほぼ満車で、駐車場整理のおじさんも大変だぁとぼやいている。

 自分は風呂はどちらかと言うと苦手のほうで、湯船に5分も浸かっているとのぼせてしまう質なのだ。それでも、ここのところちょっと忙しかったせいか何処と無く疲れが溜まっているような気がする。内なる欲求のなせるわざか、昼食を挟んで二回も湯船に長々と浸かった。

 やはりというか、ちょっと湯あたり気味になったが、翌日になるとあら不思議。ぐずぐずと痛かった腰がスッキリとしている。湯治とはよく言ったものだ。これからは温泉に浸かって一日ぼーっと過ごすような日があっても良いかなと、ちょっぴり思ったりもした。

 湯あたり気味の体と頭だが、懲りずに夕方のスポーツクラブで一汗かいてから三度目の入浴。未だ煩悩の捨てきれないオヤジ入り口である。お陰で、青春時代のように一度も目を覚まさずに朝まで眠れたのは久々で大変よろし(爆)

2013年05月03日

三度めの正直、持丸山


-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。
1312mP付近は深い笹薮に覆われ尾根形も曖昧、ルート特定が難しくなります。ナビゲーションに自信の無い方は北尾根のピストンをお勧めします。
関連山行記事
  2013年4月27日 持丸山リベンジならず、敗退で鶏岳
  2011年11月13日 静かなる明神ヶ岳

 前回も触れたが、持丸山はこれで三回目のトライとなる。一度目はMixi仲間との明神ヶ岳ダブルヘッダー山行で体力切れ、二度目は先週の雨で登山口敗退。
 天気については人一倍神経質な自分だが、先週は忙しさにかまけて事前情報収集不足ということもあった。また、帰路、鬼怒川温泉あたりから南はピーカンの晴だったので、天気の複雑さを改めて思い知らされた。

 さて、予定通りに林道最深部の駐車地に到着。この林道は、四駆車なら問題は無いが、車高の低い車だと途中で立ち往生するような箇所があるので注意が必要だ。また道幅も車一台しかないのですれ違いが発生した場合の覚悟も必要。こういった状況だとパジェロミニの安心感は秀逸である。

 本日の持丸山登山、単にトップバッターなのか、あるいはこのまま誰にも遭わずにパジェロミニ一台だけが止まっているこの場所へ戻ってくるのか。空を見上げると遥か高い所に白い雲が散在し、そこから差し込む明るい陽光を時折通り過ぎる低い雲が覆う。周囲の緑が照らされ、また陰るさまは自然の寸劇である。風も無く概ね良好のコンディションだ。山鳩のホーホーと鳴く声の中に混じって、まるでいま起きたばかりのような調子外れのうぐいすの声が沢音に混じる。

 114号鉄塔巡視路の案内に従い沢の左岸を辿る。道は無いが、足の置きやすい場所を選んで進むとすぐ朽ちかけた橋がある。一歩一歩確かめながら渡り、右岸から続く巡視路を登っていく。

     
林道終点    左岸を辿る    朽ちかけの橋を渡り

 114号鉄塔までは巡視路がよく整備されおり、難なく到達出来る。勾配は結構あり、じっくりと歩を進めるもたちまち汗だくになってきた。思えばMixi山行の時、明神ヶ岳の急登をハイペースで歩いた後に此処を登ったのだから途中でリタイヤしても不思議ではないだろうと改めて実感した。

 114号鉄塔基部からは高原山がよく見える。ほぼ真南には電線が続いてその先に下山時の中継点である115号鉄塔、更にその先に116号鉄塔と続く。

     
巡視路を行く    114号鉄塔    鉄塔より高原山

 鉄塔で巡視路はお終いになるが、その先も道はしっかりしていて歩きやすい。途中からイワウチワの群生地が現れる。花はまだ咲き始めで少ししかついていなかったが、これから花期を迎えるとあたり一体が華やかになるだろう。標高を上げていくと全く見られなくなり、下山時も115号鉄塔付近で見かけたので、特定の標高域にのみ存在するようであるところが興味深い。

 ルートは明るい落葉樹の自然林である。登山口から針葉樹を一切見ない山を登るのも自分の場合は珍しく、実に気持ちの良い登路である。途中薮があると聞いていたが、今の所そんな雰囲気は皆無。むしろ、自然豊かな清々しい林を縫って歩くこのコースは実は隠れた名ルートだなとも思いながら進む。

     
イワウチワ    花期はこれから、群生している    明るい美林を行く

 自然豊かな持丸山故に、その豊かな恵みと共に暮らすものも多いだろう。ということで、今回は熊鈴をダブル装着。この二つはあまりにも音量が大きいのでいつもは使わないのだが、今回は広葉樹林である山域ということと入山者の少なさを勘案し、あえて二刀流とした。
 小ピーク直前の先が見えないポイントや、一息ついて再スタートする時は汽笛一声よろしくホイッスルを吹き、手で腰の鈴をジャンジャン鳴らしながら登っていく。今考えるとこれだけ見晴の良い山中である。周囲の谷筋などからもこちらの様子は丸見えの筈だ。
 冬眠の間に出産を終えた母グマは、かようにやかましいヒトの進入にさぞや眉根をひそめていることだろう。「坊や、ああいう生き物が来たら近づいちゃダメよ」と。

     
   苔むす倒木    今日は熊鈴ダブル+ホイッスル

 横に広がる登路は見通しが良く、上を目指すには何の不安も無いが、尾根形が鋭敏でないということは此処が背丈超えの薮になった場合は大苦戦する箇所であることは間違いないだろう。

 急登をしばらく行くと上の方に何やら黒いものがある。うずくまっているようにも見えるが肉眼ではよく解らない。デジカメのデジタルズーム最高倍率で見ても今ひとつはっきりしない。
 試しにホイッスルを吹いたり鈴を鳴らしたり、オーーイと呼びかけても動く様子が無い。まだかなり距離があるのでピクリとでも動いたら直ちに退散しようと思いしばらく観察するが、依然不動のままだ。
 恐る恐る近づいて行くと、なんと倒木の根元の部分が見えていただけか。山を歩いているとよく見かける木の幹にあるコブなども山慣れしない頃は遠くから見てビビっていたものだが、今回は結構強烈であった。

     
急だが相変わらず美しい自然林    あ、あれは(*_*;    倒木だった

 山頂から北側に伸びる主稜線に乗ると、西側の県境にある山脈が枝越しに見えるようになる。またこのあたりから少し薮が出てくるが、尾根の中心線から若干西側に刈り払われたルートが出来ており、歩くのには苦労しない。脇を見ると登りには逆目の笹が繁茂しており、このルートが無いと相当難渋するだろう。

     
荒海山方面県境の山並み    逆目だからまともに登ったら大変    ウリ肌楓って教わったのだけど・・・

 山頂まであと少しの箇所で背丈超えの笹薮が出てくるがそれも僅か。

     
山頂近くになると薮が出始めた    なんと、残雪    最後はご覧のとおり

 山頂は思ったよりも小広く、スッキリとはいかないが眺望もまぁまぁ。高原山方面と県境の山並みが見える。

 少し早いが昼食をとっていると控えめな鈴の音が(自分とは大違い)聞こえてきた。どうやら後続のハイカーが登ってきたようだ。
 最後の薮をくぐる直前ぴたっと動きが止まった。彼もまさか人がいるとは思わなかったので、山頂に居る"何か"に一瞬怯えたのかもしれない。彼は簡単に食事をした後、立派な三脚をザックから取り出してセルフ撮りをすると直ぐに南の尾根に発っていってしまった。

 コーヒーを入れて飲み始める頃、今度は中年の夫婦が登ってきた。向こうもやはり人がいた事に驚いていたが、話を聞くと栃木百名山も完登直前で、登り残しのこの山にやってきたという。奥方は下野新聞栃木百名山の拡大コピーを片手に、南の尾根はどう行ったら良いのかしら。このままピストンで下山はつまらないといった口ぶり。
 取り敢えず尾根を外さず行けば良いのでは、判らなければ最悪戻ってくれば良いと思います。とだけ答えたが、御主人はコンパスを手にしていたのできっと大丈夫だろう。登路もあんな感じだったからこの先も大したことは無いだろうと思い自分も出発した。

     
高原山方面    県境方面    山頂から程なく薮が出始める

 北尾根に比べると確かに笹薮が豊富だが、見通しがあるし尾根形が明瞭なので難しさは無い。途中、足元に落ちているシカの角に自然を感じつつ残雪のある自然のままの稜線歩きだ。
 北尾根はいたるところに赤リボンが付いていたが、こちらは皆無。栃木百名山本にサブコースとして紹介されるも、殆ど歩いている人はいないようである。

     
   落ちていた鹿の角    残雪

 途中、大きな木に巨大なウロがあった。敢えて近づかず遠巻きにしてそっとその場を去る。まさかクマか何かがあんな所に居るとは思えないが、触らぬ神に祟なしである。

 1312mPの方向変えは計画段階から一番の難所と考えていた。見通しが良ければさほど難しくは無いけれど、やはり背丈を超す薮で周囲が見えないとコンパスだけが便りとなる。GPSの軌跡を見ていただいても解るが、進路を確定するのに苦労しているのがよく分かる。
 栃木百名山本の解説はサブルートとして登りにこのルートを紹介しているが、笹薮はともかく登りなら体力的にはきつくても案外楽に進路を決める事が出来るかもしれない。だが、下りで此処を降りる場合はかなり難しいポイントになるだろう。GPSの携行習熟や、確実な読図と進路補正の経験、しっかりとしたナビゲーション技術が無い方は歩かないほうが無難かも知れない。先ほど山頂で出会った夫婦に生返事でこちらのルートを話したが、少し心配になってきた。

     
怖くて遠巻きに    笹薮の尾根    背丈ほどに

 度々進路をチェックして、目的の尾根に乗っていることを確認しながら進んでいく。踏み跡はあっても解らないから間違えても気が付かいないのだ。やがて、行く手に鉄塔が見えてきた。下山路で115号鉄塔下を通過する予定なので一瞬そちらに向かおうとしたが、よくよく地図を見ると115号鉄塔とは違う箇所にある。どうやら次の116号鉄塔のようで、このまま東に降りて行くと大幅なコースアウトになりその後の復帰が大変になるだろう。先ほどの夫婦に「取り敢えず鉄塔を目指して・・・」と喋ったのが更に気になってきた。

 やがて、115号鉄塔上部で巡視路と交差する。右手はどうやら116号鉄塔へ伸びている様子。ということは116号鉄塔を目指して行っても巡視路に拾われるので大丈夫だなと一安心した。

     
笹が薄くなってきた    116号鉄塔    115号鉄塔

 ここで気づいたのは、栃木百名山本の誤り。本に書いてある鉄塔は116号とあるがこれは115号の間違い。116号は115号の南側直線にして約300mほど離れており、自分が初めに誤認した鉄塔である。鉄塔の番号は巡視路の黄色い標柱くらいしか知る方法はないが、この周回ルートの始めが114号、山の向こう側が115号というふうに考えるべきだし実際の鉄塔はそう配置されている。そこへ本に記載のある116号が115号の位置にあるとなると、困惑して読図を誤る可能性もある。次の版では訂正して欲しいところだ。

  残る下山路は巡視路を下るのみ。若干退屈だが、先ほどの緊張感溢れるルーファンから開放されたのは事実。こちらでも見られるイワウチワに足を止めながら降りて行くと、最後の最後で巡視路は崩落して跡形も無し。この様子だとこちらを登りに使う人も居ないだろうと納得した。大した距離ではないので、カモシカよろしく斜面を直下降しながら沢に降り立った。釣りと山菜取りに来た家族が沢のほとりで弁当を広げていた。そこへ突然ガサガサと、そして熊鈴じゃんじゃんと鳴らしながらヒトが出現したので彼らもさぞ驚いたことだろう。かくして、持丸山登山は無事終了したのである。

     
鉄塔下は刈り払われている    114号鉄塔が見えてきた    巡視路が崩落している

 下山後はまだ時間が早かったので少し道草をすることにした。R121から芹沢の集落へ向かい、「丸太工房あくつ」さんの箇所よりアプローチの林道は伸びているが、芹沢沿いの道は延々西へと伸びている。地形図上では途中で道が消失しているので行き止まりの可能性は高いが、持丸山を登る途中でチラっと見えた感じだと結構立派な道路のようだ。

 対向車も後続車も一切ない舗装路を快適に進めていく。所々路側に除雪車が切り通した跡があるので、冬場は閉鎖されているのだろう。地形図上で道路が途切れている地点を越えてもなお道は続く。東側に開ける眺望箇所を過ぎると林道の最高地点に到達。傍らの案内板を見ると、林道平沢芹沢線とある。(最高地点は地形図の湯坂峠の北西約300mの位置にある)

     
     

 持丸山からの枝越しの眺望とは違い、胸ののすくような景色にしばし見とれる。残雪県境の山は綿々と繋がり、黒ぐろと鎮座する明神ヶ岳も大きい。寄り道の成果にも満足の一日であった。

     
   枯木山か?    明神ヶ岳

 ちなみにこの林道、何処へ出たかというと、湯西川に最近出来た「湯西川水の郷」の直ぐ近くに通じていた。この小さな交差点の先があの雄大な景色を見ることが出来る林道に繋がっていることを知る人は少ないであろう。

           
川俣側林道出口      

概略コースタイム
駐車地発(08:32)-114号鉄塔(08:50)-山頂(10:20)-昼食休憩-
行動再開(11:08)-1312mP(11:37)-115号鉄塔(12:15)-駐車地着(12:50)

2013年04月29日

2013年のバイク始動

130429route.gif

 連休前半最終日は今年初めてのツーリング。この時期のツーリングは会津へ向けて走るのが定番であったが、今年は北茨城に向かった。

 北茨城コースは栃木のバイク乗りなら定番のツーリングコース。県境のワイディングを駆け抜ける醍醐味と海辺で食す海鮮がセットのお楽しみ。ルートは何通りからあるが、広域農道や県道、国道も主に三桁、しかも300番台400番台を意識的に選んで走ると本当に気持ちの良い楽しいツーリングとなるのだ。

 ヘルメットの中を通り過ぎる春の息吹。海辺の潮騒の香り。久しぶりに味わう1400ccの怒涛のパワーに酔いしれる一日であった。

 

 

 

 

 

 

 

 五浦海岸にて、六角堂に向けて凛と佇む犬の石像

 

 

 帰路の花園渓谷

 

2013年04月28日

諏訪岳

-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 連休山行二発目は、家内と登る栃木百名山。諏訪岳である。栃木百名山本のルートでは東武佐野線、多田駅を発着とするコースのCTが2時間40分。駅から京路戸公園までの往復が1時間となっているから、CT1時間40分の行程となる。幾らか登りらしい登りもあるようなので、家内のペースを勘案しても2時間ちょいも見積もれば充分。のんびりと支度をして遅めの9時頃に自宅を出発した。

 京路戸公園駐車場に着いてみると、テニスコートに来た人達の車だけでハイカーの姿は無し。コート脇を真っ直ぐ進むと、幾らか荒れた感じの樹林と背の高い竹やぶに挟まれた登山道が続く。

 薮は決して嫌いでは無いが、ここまでの密薮になると流石に無理をしても進入不能だろう。古賀志山で一度、そして昨年の燕巣岳から湯沢峠への県境尾根は、これを少し薄くしたような感じだったが、下りならなんとか。登りならアウトだ。

 それにしてもこの山は登山道以外は殆どこういう感じの薮に覆われていて、バリエーションルートも組みようも無い程だ。自分が経験してきた山でこういう所は珍しい気がする。

 

 少し緩めの登山道を淡々と詰めていくと京路戸峠。このへんからハイカーの往来が多くなる(といっても数組)。唐沢山からのピストン組と村檜神社からのハイカーが多い雰囲気で、京路戸公園側からは不人気の様子だ。

 

 京路戸峠から尾根を登り始めると、ようやく山道らしい雰囲気になってくる。写真のような白い花があちこちを飾ってなかなか綺麗だ。所々咲終いのツツジがアクセントを添える。

 

 山頂直下は幾らか急斜面となり、休憩の回数が多くなった家内もようやく山頂へ到着。先行者夫婦が食事中であった。

 

 山頂よりの風景は、山全体の雰囲気とも相通ず。地味な感じだが、木々に囲まれた明るい風景が広がる。

 

 北の尾根に向けての下山は案外急斜面。こちらを登りに使ったら家内からクレームが出たのは間違いなかっただろう。だが、下りも結構大変。家内の途中しりもち2回は内緒の話である。

 

 無事京路戸公園駐車場まで戻って見るとこんな注意書きがあった。 「しし」の上にイノと書き加えられている。
 途中の緻密な笹ヤブを見た時、そして下山最後の谷筋の窪地を見た時、直感的にこれはイノシシ居そうだなぁと思っていた。まぁ、危険と書いてありながらすぐ脇にはっきり「至 諏訪岳」の道標があるのも少し可笑しいものだ。大体、山頂からの下山ルートにはそんな事は何処にも書いていなかったら、下山しきって初めて知る警告というのもねぇ(笑)。

 

 話がちょっと飛んで、帰りに道の駅西方でとちおとめジェラートーをいただく。嗚呼、これで今日のカロリー消費も帳消しか?
 でも、このとちおとめジェラートって美味しいのでまだの方には強くお勧めだ。

 

 で、・・・更に話は飛ぶ。

 家に帰着したのがまだ3時頃。日もまだ充分に高い。
 それでは、とオフロードバイクを引っ張りだして久々の散歩に出かけた。場所は定番の半蔵山周辺の林道探索。

 

 鬱蒼とした林道にも一箇所だけ外界が見えるビューポイントがある。お気に入りの場所だ。

 

 こんな所まで来ると、ちょいとそこの斜面によじ登って、その後は薮をかき分け稜線キープなんて気分にもなってくるが、あくまで今日は(バイクの)散歩である。

 
 

 半蔵山の南側(栗谷沢ダムの北側)エリアを一通り走った後、旧道の鞍掛峠へ。道祖神脇にバイクを止めて上を仰ぎ見る。
 鞍掛山から半蔵山に至るには此処を降りて来なければならない。以前、半蔵山から池ノ鳥屋まで縦走し鞍掛峠に降り立っている。だがここから鞍掛山へ至る道筋は地形図を眺めるだけではどうにもイメージが沸かない。正面突破するには等高線が混みすぎているから。
 あ、でもよく見るとあそこにも、そしてあっちにも意外とルートはあるじゃないか。帰ったら早速地形図を眺めるべし。これで次の冬のネタがまた一つ楽しみとなった。

 

 一旦日光街道に抜け(実は途中で数箇所遊んできたがそれは割愛)最後は定番の林道牛沢線を走り抜ける。郷土の山、半蔵山を縦貫するこの林道も散歩の定番コースだ。
 降り立った田口の集落はすっかり田んぼに水が張られて、後は田植えを待つばかり。そんな里を見守る半蔵山と写真を一枚パチリ。

2013年04月27日

持丸山リベンジならず、敗退で鶏岳

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  2011年11月13日 静かなる明神ヶ岳

 以前、Mixiの山行で明神ヶ岳と持丸山ダブルヘッダーに参加した時のこと。健脚メンバーで、明神ヶ岳をついていいくのが精一杯であった。昼食後に登る持丸山はペースが極端に落ちてしまい、序盤でギブアップ宣言。メンバーは自分を見捨てずに一緒に計画を中断して下山してくれた。当時も今も大変申し訳無い思いがある。

 そんな持丸山のリベンジだが、稜線に薮があるということなので登るなら新芽も少ないこの時期しかないだろうと思い立ち、GWの一本目として登ることにしたのである。

 ちょっと言い訳になるが、実はここのところ仕事が忙しくて今回の山行は準備不十分。天気予報も昨晩ちらっと見ただけで、今朝の天気図や予報を見ないで出発したのが敗因であった。

 鬼怒川温泉を過ぎた頃から北の方角の空がやけに暗い。川治温泉を走り抜ける頃には路面が濡れだし、やがて本降りになってしまった。登山口に着いてしばらく様子を見るが、思わせぶりに日が差しかけてはまた次の雨雲が通り過ぎるといった感じの繰り返しだ。約1時間ほど待機するも一向に好転の兆しは感じられない。
 「今回も縁が無かったのか」と大変残念ではあったが、雨の薮を歩くのも気乗りしないので敗退を決意。まぁ三度めに賭けようじゃないか。

 

 来た道を戻り車を走らせると、鬼怒川温泉付近から嘘のように青空が広がっている。振り返るとやはり北側は雲が厚くかかっているので、恐らく同じ状態なのだろう。いや、そう思いたいものだ。

 林道西前高原線への標識を見ると、ロートルな頭脳がほぼ反射的に反応した。「そうだ!鶏岳登ろう」と。

 林道から見る遅咲きの桜と目に染みるような青葉。これを見ただけでも随分心が軽くなる。昨日の荒天の名残で等圧線が狭くなっているせいなのだろうか。風はかなり強い。

 

 これから登る鶏岳がよく見える。相変わらずトサカのように尖った山だ。

 

 林道の空きスペースに車を停めて歩き出す。6年前、息子が進学で東京へ行く前に一緒に登った最後の山である。
 あの時は山も今ひとつ目覚めていなかったような気がするが、ひと月遅れのこの時期は緑の芽吹きが目に眩しいほどである。

 

 ちょっと勢いには欠けるが、ツツジだって健気に咲いている。地味な山にも春は確実にやってきているのだ。

 

 ちょちょいと片付けてやろうじゃないかと登り出すも、7合目のゴーロから先の急登、トサカの核心部分はやはり辛い。6年という歳月で忘れ去ってしまった辛さを一歩また一歩と噛み締めながら登っていく。

 

 頂きを雲に覆われ、ちょっとご機嫌斜めな男体山と女峰山がお出迎え。風も少し強いけれど、ぽかぽか日差しの山頂はやはり居心地が良い。

 

 のんびり山頂を楽しんだらゆっくりと下山。今日は時間が沢山あるからね。おかしいな、下りの膝が笑ってる。やはりトサカには今回もヤラレたようだ。

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  • 里山逍遥
    栃木の山とその周辺の低山を巡る日々「里山逍遥」。もぉ、このタイトル見ただけで直ぐに相互リンクを申し込んでしまいました。新田次郎さんと飲んだことがあるという凄い方です。登山に対するフランクな考え方も共鳴できます。
  • リンゴの叫び!
    季節の移ろいと自然の姿に心惹かれるブログ主さんの記事は、山好きな人ならきっと共感することと思います。自分も長い間隠れファンでしたが、この度相互リンクさせていただきました。
  • 北関東の山歩き
    ご夫婦で仲良く山歩き。栃木県内や宇都宮近郊の山はもとより、HPのタイトル通り北関東の山並みを歩かれているNonさんのサイトです。楽しそうな山行記録を読みながら、「是非自分も歩いて見たい」と思うこと度々。
  • PIAN PIANO.
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